熱意のある社員が6%
日経新聞に興味深い記事があった。最初だけ読んでも日本人の勤労意識の低さが伝わってくる。139ヶ国中で132位とは、まさに世界に誇るべき怠け者である。
世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかないことが分かった。米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位クラスだった。
仕事への熱意を持って働いている大人を見たことがあるだろうか。90%以上の労働者が「生活のため」だと言う。「俺は自己実現したいから給料0円でも働く」など言う人間は見たことがない。なぜ日本では仕事がそこまで忌み嫌われるのだろう。
矛盾する日本の怠け者体質とプロ意識
とかく日本人は仕事にプロ意識を持ち込みたがる。仕事が100%の結果しか許されないだとか、始業時間に1秒遅れるだけでプロ失格だとか、常に有刺鉄線に囲まれたような状況で仕事をしている。
そのくせ終業時間は守らない、残業代は払わない、労働基準法は平気で違反する、ILO(国際労働機関)条約の多くを未批准で放置するなど、海外からの「真面目な日本人像」とは掛け離れた日本人の不真面目・不誠実ぶりが目に余る。
これだけ労働に関する問題が起こっていても日本人はプロ意識を優先する。終業時間を守らないのがプロなのかと問われると「仕事だから仕方無い」と言う。仕事を言い訳にすれば法を犯しても許されるのか。
怠け者であるが故に怠け者が許せない
怠け者の日本人が一番あこがれる生活。働かずして生きていける生活である。怠け者だからこそ、誰よりも怠け者になりたくて、怠け者を許せない。
それが互いに監視し合う日本独特の文化を作り出し、社会を息苦しいものにしている。働かない人間を排除するようになる。怠け者のくせに怠け者を排除する矛盾に気付いていない。
ハッキリ言えばいい。怠けたい。仕事をしたくない。労働者の94%がそう思っているのに、声を上げられない。音を上げるやつは根性なし、負け組、社会人失格。監視社会が日本人を追い込んでいる。
体質を変えられない会社や組織
自分も何社か経験してきたが、明らかにこんな仕事は必要ないと思うことがいくつもあった。「何の意味がある仕事なのか?」「誰が得をする仕事なのか?」というモノはどんな会社にもあるはずだ。
何かに必要だから生まれた仕事でも、何十年も経てば時代に合わないモノに変わる。時代が変われば新しい仕事が生まれる。要らないモノは次々捨てなければならない。仕事にこそ断捨離が必要なのだ。
過去の遺物を残したままで仕事を増やしていけば労働時間が改善されるどころか増えるのは誰でもわかる。日本に必要なのは働き方改革ではなく、目の前の仕事を捨てていくことだ。
日本が既存の体質を変えられない理由
日本の組織が体質を変えられない理由は一つ。責任を負いたくないからだ。怠け者の日本人は面倒くさいことを最も嫌う。誰かが改革に乗り出せば全力で潰しに掛かる。
環境が変わることで生まれるリスクを負うぐらいなら今のままで我慢すればいいじゃないかというのが日本人の考え方だ。面倒を避けて我慢する考え方を変えないかぎり労働環境は絶対に改善されない。
日本人は政治への関心も低い
政権与党が毎日のように世間を騒がせている。どう考えても真っ黒であるはずなのに野党が攻め切れない。与党も自分たちは何をやってもゴリ押しで通せると国民をナメている。
与党を支持する理由で「他にマシなのがないから」なんて思考停止も大概にしろと言いたい。不満があったら別の政党に投票してふんぞり返っている与党を脅かすために別の候補に投票するべきである。
日本では政治の話が異常にタブー視されていて、学校教育で国民に教えるのも任期が何年だとか、国会の期間が何日だとか、表面的なことでしかない。
正規労働者と非正規労働者がいて、パートやアルバイトがいて、外国人労働者がいて、特権階級と被差別階級がいるから日本は成り立っている。それを教えるべきだろう。
特権階級の教師が「職業に貴賎なし」なぞ言っても意味がない。公務員は税金で生きているぐらいは言ったほうがいい。
日本では政治に詳しくなければ政治の話ができないという謎の圧力が存在する。適当なことしか教えない学校教育も相まって、国民が政治に関わる機会が封じられている。
政治家が「政治とカネ」で汚職したとしても、政治批判をすると何だこいつ…という目で見られてしまう。それほど政治に関しては厚い壁があるのだ。
壁というよりも日本人の怠け者体質が政治に対しても無関心を生んでいるのだろう。選挙に行くのも面倒くさい、違う政党に期待するのも面倒くさい。怠け者ばかりでは国は何も変わらないし、自分たちで首を絞め合う状態が続くだけだ。
怠け者はすぐ仕事をやめるべき
日本人の94%が仕事をやめたがっている。それでもやめられないのは社会からの監視であったり、穴だらけのセーフティネットであったり、簡単に仕事をやめられる土壌が日本に用意されてないからだ。
健康保険、国民年金、消費税、これら全てが低所得者の負担が重くなるように作られている。仕事をやめれば収入減以上に重いモノが襲い掛かってくる。仕事をやめれば人生が一瞬で終了する怖さがあるのだ。
怠け者ばかりの国なのに、怠け者が一番嫌う労働のせいで生活が苦しくなっているのなら、それは悲劇だ。作り上げた足枷の重みで国が沈没するのは時間の問題かもしれない。
日本は着々と破滅に向かっている。
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